ホテルや旅館、飲食店、温浴施設、病院などでは、シーツやタオル、ユニフォームといった大量のリネンが使用されています。こうしたリネン類を貸し出し、使用後に回収・洗濯して再び納品するサービスが「リネンサプライ」です。
「リネン業者を探しているけれど、どこが大手なのか分からない」「リネン代が上がっているので、他の方法も検討したい」という事業者もいるのではないでしょうか。
この記事では、リネン関係の大手業者・リネンサプライ会社を紹介するとともに、洗濯代行会社の視点から、リネンサプライと「自社でリネンを用意して洗濯する方法」の違いについて解説します。
目次
リネン業者・リネンサプライとは?

リネンサプライとは、ホテルや飲食店、病院などの事業者にシーツ、タオル、テーブルクロス、ユニフォームなどを貸し出し、使用済みのリネンを定期的に回収して、洗濯・仕上げを行ったうえで再び納品するサービスです。
一般的なクリーニングや洗濯代行との大きな違いは、「洗濯」だけではなく「リネンそのものの貸し出し」まで含まれていることです。
事業者側で大量のタオルやシーツを購入する必要がなく、使用したリネンを回収してもらい、洗濯済みのリネンと交換できます。
特にホテルや旅館、病院など、毎日大量のリネンを使用する施設では重要なサービスとなっています。
リネン関係の大手業者は?

国内には地域密着型のリネン業者から、全国規模で事業を展開するリネンサプライ会社まで、多くの事業者があります。
代表的な大手・有力リネン業者としては、新日本ウエックス、トーカイ、白洋舍、ワタキューセイモア、東急リネン・サプライなどが挙げられます。
新日本ウエックス株式会社
ホテルリネンやユニフォームレンタルなどを幅広く展開している大手リネンサプライ会社です。
ホテルやレストランなどを対象としたリネンサプライを展開しており、大量のリネンを扱う法人のニーズにも対応しています。
株式会社トーカイ
病院・介護施設向けサービスなどでも知られる企業で、ホテル・宿泊施設向けのリネンサプライも展開しています。
医療、福祉、宿泊など、リネンが大量に必要となるさまざまな分野でサービスを提供しています。
株式会社白洋舍
一般家庭向けクリーニングで知名度の高い白洋舍ですが、法人向けのリネンサプライ事業も展開しています。
ホテルやレストランなどで使用されるリネン類を扱っており、長年クリーニング事業を行ってきた企業として知られています。
ワタキューセイモア株式会社
医療・福祉分野を中心に大きな事業基盤を持つ企業です。
病院や福祉施設などで使用される寝具やリネン類に関するサービスを幅広く展開しています。
東急リネン・サプライ株式会社
ホテルを中心としたリネンサプライやユニフォーム関連サービスなどを展開している企業です。
宿泊施設やレストランなどで使用されるリネン類を取り扱っています。
このほかにも、白興、レンティック中部など、国内には多くの有力なリネン業者があります。
そのため、単純に「大手のリネン業者だから安心」と考えるのではなく、業種、使用量、配送エリア、回収頻度、料金体系などを比較してリネン業者を選ぶことが重要です。
インバウンド需要の拡大でホテル向けリネン需要も増加

近年、リネンサプライ業界を取り巻く環境は大きく変化しています。
特にホテル・宿泊施設向けでは、訪日外国人旅行者の増加などを背景とした宿泊需要の拡大により、シーツやタオルなどのリネン需要も増えています。
ホテルの稼働率が上がれば、それだけ交換するシーツやタオルの量も増えます。その結果、リネンサプライ工場の洗濯量だけでなく、回収・配送などの負担も大きくなります。
一方で、リネンサプライ業界では、人件費、物流費、燃料費、洗剤費、電気・ガスなどのエネルギーコストの上昇も無視できません。
こうした複数の要因を背景として、リネンサプライ料金の値上げや価格改定が行われるケースもあります。
特に中小規模の店舗や施設にとっては、リネン代の値上げが毎月の固定的なコスト増につながるため、従来のリネンサプライ契約を見直すきっかけにもなります。
リネン業者の値上げで注目される「リネンの自社所有」

大規模ホテルのように毎日大量のシーツやタオルを使用する施設では、リネンサプライは非常に効率的な仕組みです。
一方、小規模ホテル、民泊、サロン、ジム、治療院、飲食店などでは、必ずしもリネンそのものを業者から借りる必要があるとは限りません。
そこで選択肢になるのが、タオルやシーツなどを自分たちで購入し、自社所有する方法です。
自社でリネンを購入して繰り返し使用する
リネンサプライでは、基本的に業者が用意したリネンを使用します。
一方、自社所有の場合は、
リネンを購入 → 店舗で使用 → 洗濯 → 再利用
という運用になります。
リネンそのものをレンタルするのではなく、自社の資産として繰り返し使用できることが大きな違いです。
ただし、自社所有にすれば必ず安くなるわけではありません。リネンの購入費や交換費、在庫管理に加えて、洗濯にかかる費用や人件費まで含めて比較する必要があります。
自社所有のリネンをコインランドリーで洗う方法

リネンを自社所有した場合、比較的分かりやすい方法がコインランドリーを利用することです。
店舗の近くに大型のコインランドリーがあれば、タオルなどをまとめて洗濯・乾燥できます。
特にリネンの使用量がそれほど多くない店舗では、リネンサプライから自社所有へ切り替え、コインランドリーを活用することで運用方法を見直せる場合があります。
ただし、コインランドリーを利用する場合はスタッフが、
・使用済みリネンをまとめる
・コインランドリーまで運ぶ
・洗濯機へ投入する
・洗濯後に乾燥機へ移す
・乾燥後に回収する
・店舗まで持ち帰る
・たたんで収納する
といった作業を行わなければなりません。
洗濯料金だけを見ると安く感じても、スタッフが洗濯に使っている時間まで考えると、実際の負担は小さくありません。
「自社所有+洗濯代行」という選択肢もある

そこで、リネンサプライとコインランドリーの中間的な選択肢になるのが「自社所有+洗濯代行」です。
リネンは店舗や会社で購入して所有し、使用後の洗濯・乾燥・たたみなどを洗濯代行業者へ依頼します。
リネンサプライと洗濯代行の違い
リネンサプライと洗濯代行は似ているように見えますが、仕組みが異なります。
リネンサプライ
リネン業者が用意したタオルやシーツなどを借り、使用後に回収・洗濯・交換してもらう仕組みです。
洗濯代行
店舗や企業が所有しているタオルなどを洗濯代行業者へ預け、洗濯・乾燥・たたみなどを依頼する仕組みです。
つまり、大きな違いは「リネンを借りるのか、自分たちで所有するのか」です。
リネンサプライはリネンの調達から洗濯・配送までまとめて任せられるメリットがあります。
一方、自社所有+洗濯代行では、自分たちの店舗に合ったタオルやリネンを購入しながら、負担の大きい洗濯作業だけを外部化できます。
リネン業者・コインランドリー・洗濯代行を比較する
リネン代の見直しを考える場合、リネンサプライ会社同士の料金だけを比較する必要はありません。
大きく分けると、次の3つの方法があります。
1.リネンサプライ業者を利用する
リネンの準備から洗濯、回収、配送までまとめて任せる方法です。
大量のリネンを安定的に使用するホテルや病院などに向いています。
2.リネンを自社所有してコインランドリーを利用する
タオルやシーツなどを自社で購入し、スタッフがコインランドリーで洗濯する方法です。
外部委託費を抑えやすい反面、洗濯や運搬にスタッフの時間が必要になります。
3.リネンを自社所有して洗濯代行を利用する
リネンは自社で購入し、洗濯部分を洗濯代行業者へ任せる方法です。
サロン、ジム、治療院、飲食店、小規模宿泊施設など、一定量のタオルやリネンを使用するものの、大規模ホテルほどの物量はない事業者にとって比較しやすい選択肢です。
リネン業者を選ぶときは「リネン代」だけで比較しない
リネン業者を探す際には、1枚あたりの料金だけでなく、店舗全体で発生するコストを考えることが大切です。
例えば、自社所有+コインランドリーが安く見えても、スタッフが毎日1時間洗濯に使っていれば、その時間には人件費が発生しています。
反対に、リネンサプライは料金が高く見えても、リネンの購入、在庫管理、交換、洗濯、配送まで含まれているのであれば、自社の業務負担を大幅に削減できます。
比較する際には、
・リネンのレンタル料金
・リネンの購入費
・洗濯費用
・配送・集配費用
・スタッフの人件費
・在庫管理の負担
・紛失や劣化による交換費用
などを含めて考えることが重要です。
中小規模の店舗なら洗濯代行にもメリットがある

リネンサプライは非常に便利なサービスですが、中小規模の店舗では「必要な量」と「リネンサプライの仕組み」が必ずしも一致しない場合があります。
そうした事業者にとって、洗濯代行の魅力は「リネンは自分たちで選び、面倒な洗濯作業だけを外部に任せられること」です。
好きなタオルやリネンを自社で選べる
リネンを自社所有すれば、店舗のコンセプトやサービス内容に合わせて、タオルの色、サイズ、厚さ、肌触りなどを選べます。
美容サロンやエステ、整体院、ジムなどでは、タオルもお客様が直接触れるサービス品質の一部です。
自社でリネンを選べることは、コスト面だけではなく、店舗のブランドづくりという面でもメリットがあります。
スタッフが洗濯する時間を減らせる
店舗で意外と負担になるのが、毎日の洗濯です。
洗濯機を回すだけではなく、洗濯物の移動、乾燥、取り出し、たたみ、収納まで考えると、多くの作業が発生します。
洗濯代行を利用すれば、こうした作業を外部へ任せられるため、スタッフが接客や施術、清掃など、本来の業務に使える時間を増やせることも大きな魅力です。
コインランドリーへ運ぶ手間を減らせる
自社所有のリネンをコインランドリーで洗えば、洗濯そのものの費用を抑えられる場合があります。
しかし、使用済みのタオルを車などに積み、コインランドリーへ運び、洗濯・乾燥後に再び店舗へ持ち帰る作業が必要です。
集配に対応している洗濯代行サービスであれば、この「運ぶ」という作業まで外部化できます。
洗濯代行を比較するときは、洗濯料金だけでなく、スタッフがコインランドリーへ往復する時間や洗濯を待つ時間まで含めて比較することがポイントです。
リネンサプライと自家洗濯の間を埋める選択肢になる
「リネンサプライを利用するほど大量ではない。しかし、スタッフが毎日洗濯するには量が多い」。
このような中間的なニーズと相性が良いのが洗濯代行です。
リネンそのものは自社で所有しながら、負担になりやすい洗濯工程を外部化できます。
そのため、リネン業者の値上げをきっかけに見直すのであれば、単純に「もっと安いリネンサプライ会社」を探すだけではなく、自社所有+洗濯代行という運用方法まで含めて比較することで、自社に合った方法を見つけやすくなります。
まとめ|リネン業者の値上げを機に「借りる」以外の方法も比較する

リネン関係の大手・有力業者には、新日本ウエックス、トーカイ、白洋舍、ワタキューセイモア、東急リネン・サプライなどがあります。
リネンサプライは、リネンの準備から回収、洗濯、納品までまとめて任せられる便利なサービスです。特に大量のリネンを扱うホテルや病院などでは、合理的な仕組みといえます。
一方、インバウンドによる宿泊需要の拡大に加え、人件費や物流費、エネルギーコストなどが上昇するなか、リネン関連コストの見直しを考える店舗や施設もあるでしょう。
中小規模の店舗であれば、リネンサプライ会社を乗り換えるだけではなく、「リネンを自分たちで所有する」という方法まで含めて比較してみることが重要です。
自社でリネンを用意してコインランドリーで洗う方法もあれば、リネンは自社所有しながら、洗濯・乾燥・たたみを洗濯代行業者へ任せる方法もあります。
特に洗濯代行は、リネンを自分たちで選べる自由度と、洗濯を外部へ任せられる利便性を両立できることが魅力です。
「リネン業者にすべて任せる」「すべて自分たちで洗う」という二択ではありません。
リネンの調達と洗濯を分けて考え、リネンサプライ・コインランドリー・洗濯代行を比較することが、これからのリネンコストと業務負担を見直すポイントです。
