繊維の種類を徹底解説|ポリエステル・ポリウレタン・ウール・アクリルの違いと洗濯方法

繊維の種類を徹底解説|ポリエステル・ポリウレタン・ウール・アクリルの違いと洗濯方法

混同しやすい繊維の種類とは?

洗濯をしようとして、一応見ておこうと確認した洋服の洗濯表示タグ。
その洗濯表示タグに「ポリエステル」「ポリウレタン」「ウール」「アクリル」など、似たような名前の繊維が並んでいるのを見て、違いが分かりにくいと感じたことはありませんか?

これらの素材は一見似ていますが、性質・用途・洗濯の取り扱い方法が大きく異なります。
この記事では、家庭での洗濯にも役立つよう、混同されやすい繊維を中心にその特徴と正しい扱い方を詳しく解説します。


ポリエステルとポリウレタンの違い

ポリエステルとポリウレタンの違い

どちらも化学繊維ですが、性質や用途はまったく異なります。
見た目では判別しにくいため、洗濯や乾燥での取り扱いミスが起きやすい組み合わせです。

項目 ポリエステル ポリウレタン
分類 合成繊維(ポリエステル樹脂) 弾性繊維(ポリウレタン樹脂)
主な特徴 シワになりにくく速乾性が高い 伸縮性があり、フィット感が高い
使用例 ブラウス、スーツ、スポーツウェア レギンス、ストレッチジーンズ、下着
洗濯 通常コースが可能なことが多い 弱水流または手洗い
乾燥 低温乾燥または自然乾燥 乾燥機不可(熱で劣化)

ポリエステルは丈夫で扱いやすい素材ですが、ポリウレタンは水分、熱、紫外線に弱く、経年で加水分解を起こします。
特に「伸びる素材(ストレッチ)」の衣類は、ポリウレタンを含んでいるため、乾燥機を避けて自然乾燥するのが基本です。

加水分解とは?ポリウレタン劣化の代表的な現象

ポリウレタン製の衣類やストレッチ素材は、長期間の使用や保管環境によって加水分解(かすいぶんかい)と呼ばれる現象が起こることがあります。
加水分解とは、ポリウレタン繊維に含まれるウレタン結合が水分と反応し、分子構造が切断される化学反応のことを指します。
この反応が進むと、繊維内部の高分子構造が崩れ、弾性を失ったり、ベタつき・ひび割れ・粉化といった劣化が発生します。

特に高温多湿の環境では加水分解の進行が早く、保管状態によっては数年で劣化が始まることもあります。
ポリウレタンは伸縮性に優れる反面、水分・熱・紫外線・酸素に弱いため、使用頻度よりも「経年変化」で寿命を迎える素材といえます。
この現象は衣類だけでなく、靴底・合成皮革・スポーツウェアなど、あらゆるポリウレタン製品で見られます。


ウールとアクリルの違い

ウールとアクリルの違い

セーターやマフラーなどでよく見かけるウールとアクリル。
どちらも「ふんわり暖かい素材」ですが、原料やお手入れ方法には明確な違いがあります。

項目 ウール アクリル
分類 天然繊維(動物性) 合成繊維(アクリル樹脂)
主な特徴 保温性・吸湿性に優れる 軽くて乾きやすく、虫に強い
使用例 高級ニット、スーツ、コート 量販ニット、ブランケット
洗濯 手洗いまたはウールコース 手洗い可。中性洗剤使用
乾燥 乾燥機不可。平干し必須 乾燥機不可。平干しが望ましい

ウールは動物の毛が原料のため、表面のスケールとよばれるウロコが絡み合い固く収縮する「フェルト化」が起こります。
一方、アクリルは軽くて丈夫ですが、静電気や毛玉が発生しやすいのが欠点。
柔軟剤を使うとまとまりやすく、着心地も向上します。


ポリエステルとナイロンの違い

ポリエステルとナイロンの違い

どちらも合成繊維で、見た目も手触りもよく似ています。
しかし、吸湿性・耐熱性・光沢感などに違いがあります。

項目 ポリエステル ナイロン
耐久性 強く型崩れしにくい 摩擦に強く、軽量
吸湿性 低い(乾きやすい) やや高い(蒸れにくい)
耐熱性 比較的高い 熱に弱く溶けやすい
使用例 ジャケット、カーテン、スポーツウェア アウター、バッグ、ストッキング

ナイロンはしなやかで摩擦に強く、ポリエステルより柔らかい風合いです。
しかし熱で溶けやすいため、アイロンや乾燥機は低温設定が必須です。
一方、ポリエステルは耐熱性に優れ、アイロン掛けも比較的容易です。


コットン(綿)とリネン(麻)の違い

コットン(綿)とリネン(麻)の違い

天然繊維の中でも混同されやすいのが、コットンとリネンです。
どちらも吸水性に優れていますが、触感やシワの出方、洗濯のコツが異なります。

項目 コットン(綿) リネン(麻)
肌触り 柔らかくなめらか シャリ感があり通気性抜群
吸水性 高い(汗を吸いやすい) 非常に高い(速乾性も◎)
シワ 比較的つきにくい シワになりやすい
洗濯 水洗い可、乾燥機も低温なら可 手洗いまたは短時間洗い
アイロン 中温可 高温でしっかりプレス

リネンは夏向け素材として人気がありますが、シワがつきやすいため、脱水を短めにして軽く伸ばして干すのがコツ。
コットンは通年使える万能素材ですが、乾燥機で縮むことがあるため注意が必要です。


乾燥機にかけてはいけない繊維

乾燥機にかけてはいけない繊維

以下の素材は熱に弱く、乾燥機による収縮・劣化・溶解が起きやすいので注意しましょう。

  • ポリウレタン(ストレッチ系衣類)
  • ナイロン(薄手のウィンドブレーカーなど)
  • アクリル(毛玉・静電気が発生しやすい)
  • ウール(縮みやフェルト化の恐れ)
  • レーヨン・キュプラ(高温で変形)

乾燥機に適さない繊維は、平干しや陰干しを基本に。
特にウールやレーヨンなどの繊細とされる素材は、タオルに挟んで軽く脱水する「押し洗い+自然乾燥」がおすすめです。


繊維の種類を見分けるコツ

繊維の種類を見分けるコツ

衣類のタグをチェックすると、以下のように素材が明記されています。

タグ表記 素材の種類 ポイント
綿・麻・毛・絹 天然繊維 吸湿性・通気性に優れるが縮みやすい
ポリエステル・ナイロン・アクリル 合成繊維 速乾性・耐久性が高いが熱に弱い
ポリウレタン・スパンデックス 弾性繊維 伸縮性があるが加水分解に注意

タグには「組成表示」と「洗濯表示」がセットで書かれています。
素材名だけでなく、洗濯マーク(温度・乾燥・アイロン可否)を確認することで、適切なお手入れ方法が判断できます。


繊維の違いを知れば、お気に入りの洋服をもっと長く楽しめる

繊維の違いを知れば、お気に入りの洋服をもっと長く楽しめる

同じように見える素材でも、繊維の性質によって洗い方や乾かし方は大きく変わります。
ポリエステルやナイロンなどの合成繊維は扱いやすく、日常使いに最適。
一方でウールやリネンなどの天然素材は、少しの手間で美しさを保てます。
洋服のタグを確認しながら、素材に合わせたケアを意識してみましょう。

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本記事は、東京都内で洗濯代行サービスを提供している「しろふわ便」が作成しました。
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